引用元:【万引き家族】映画本編より
始まりから終わりまで謎だらけの作品でした。
それでいいのかなと思います。この【万引き家族】は、曖昧な中にある確かな愛情を見て感じる映画作品です。
解決できない、分からない事がある。それでいいんです。
Contents
【万引き家族】はどんな映画?
私の中で【万引き家族】の最初の印象は、第71回 カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドール受賞をした日本映画。という事と、松岡茉優が素晴らしいという事。
「きっとすごい作品なんだろうな」という期待で胸いっぱいです。
ところが見てみると、とにかく謎だらけ・・・。映画の冒頭から終わりまで、とにかくとにかく謎です。
「これからどうなるの?」とかではなく、「ん?どういう事?」という感じの謎。
でもそれが映画作品を見終わると・・・、スカッと解決!!
なんてしません。あなたはさらに深い謎に引きずり込まれます。
「分かりにくい」とか悪い意味ではないんです。
その謎はある意味、解決する必要のない謎なのかもしれません。
キャスト
リリー・フランキー(治 役)

引用元:【万引き家族】映画本編より
おでんくんとか作家とヴォーカルとか、とにかくマルチな俳優さんです。今回この【万引き家族】では、とにかく憎い演技をします。
悪い意味ではありません。舌を巻く喋り方に恥ずかしさを隠す演技や、愛情を包み隠さず表す演技。見
た目はただの中年オヤジがとにかく憎い演技をしてくれます。
安藤サクラ(信代 役)

引用元:【万引き家族】映画本編より
愛情と憎しみの狭間に生きる、女性であり母親というとっても難しい役柄を演じています。感情をあまり露わにしない女性の役ですが、子供の事に関しては譲らない、母親として強い女性です。
松岡茉優(亜紀 役)

引用元:【万引き家族】映画本編より
普通の女性の役から、闇に足を踏み入れた女性、母性本能から愛情までを持つ女性、この作品では松岡茉優のたくさんの表情を見る事ができます。その演技に圧巻そのものです。
【万引き家族】の見て欲しい所
作品を通して見てもらいたい点をまとめます。
物語が進むごとに深まる謎
【万引き家族】には謎が多いです。ストーリーの謎、関係の謎、とにかくたくさんの謎があります。
謎①会話に出てくるキーワード
家族との会話、行動など、ストーリーが進んでいくほど謎が深まっていきます。
そもそもこの「親子の関係」が分からなくなっていきますが、【万引き家族】では、所々謎めいたキーワードがあります。
- 腹違いの妹
- どうして亜紀はさやかという名前を使うのか?
- 「またこんなことするなんて。」過去にいったい何があったのか?
それぞれのキーワードは、全てを解決する訳ではありませんが、物語の中で少しづつ繋がり始めます。
謎②翔太のしたかった事
翔太は最後妹とスーパーに行った時につかまります。捕まったのがきっかけで妹とも離ればなれになりました。
その後、しばらく月日が経ちお父さんと再会した翔太がお父さんに言ったセリフ。
「僕、わざと捕まったんだ…」
映画を見る限りでは、妹のために捕まったように見えるのですが、本当にそれだけだったのでしょうか?
今自分がしている事に疑問を持ち始めていた翔太が捕まった理由は、家族にもうこんな事させたくないと思ったから、警察に目を向けさせるためにわざと捕まった気がします。
悲しいシーンではありますが、微かな希望が見えたシーンでした。
言葉にしない演技
声が小さくてセリフが聞き取れないという事ではありませんよ。
口だけを動かして言葉を発せず心情を表すシーンがいくつかあります。
そのシーンはそれぞれがとても深く、切なくも儚い意味を持つシーンでした。
- おばあちゃんが亡くなってしまい放心状態になりながらおばあちゃんの髪をとく亜紀(松岡茉優)
- 亡くなってしまう前日、海で家族で遊んでいる時に、家族を見ながら何かを言うおばあちゃん(樹木希林)のワンシーン
- 見送られるバスの中で、お父さんから叔父さんに戻る事を認めざるおえなかった祥太(城桧吏)のワンシーン
「松岡茉優」というカテゴリー
普段は清楚で元気なイメージの松岡茉優ですが、【万引き家族】では、エロくてセクシーで、「松岡茉優」という女優の魅力に虜になってしまいます。
風俗で働いている生々しいシーンも体当たりでこなしています。
私の持っていた「松岡茉優」のイメージはいい意味で崩れ去りました。
【万引き家族】を見た感想
【万引き家族】を見ている時に思った事。
安藤サクラさん、樹木希林さん、松岡茉優さん、城桧吏さん。「何だかみんな顔似ているなぁ。」
そう思った時私はハッとしました。
親子の絆に血縁って関係ない。
たとえ血が繋がっていなくても親子としての愛情は伝えられる。
きっとその愛情がある事が親子としての証。
絆っていったい何なのか?そう問いただしてくれる、とても深い映画でした。